アセット・アプローチとは

外国為替相場の決定理論にはいくつか伝統的なものがありますが、変動相場制になってからの外国為替レートは想定外の変動をみせることも多々あり、その兆候は特に短期的な予測をするときに目立ちます。従来のフローに基づいたアプローチでは、説明できないことが増えてきたのです。

なぜこのような状況になってしまったのでしょうか。その裏には、外国為替市場において貿易取引よりも資本取引が増加し、その影響がレートの変動に及んだという事情があります。

そんな中、一つの理論が台頭してきました。外国為替相場は、短期的にはストックとしての金融資産の需給により決定されるという「アセット・アプローチ

です。アセット・アプローチでは、外貨売却や外貨購入のレートは異なる通貨建て金融資産の相対価格ということになります。この相対価格は株式市場における株価の決定と同様にして決定されるといいます。

株式市場に関して言うと、一定量のストックとしての株が取引されているため、株価はいつも動いています。外国為替市場でも、短期的に考えれば一定量のストックとしての異なる通貨建ての金融資産を取引しているといえるでしょう。そして、外国為替レートはそれらの金融資産の需要側と供給側が重なるように決められるということです。需要と供給を一致させる基本的な意味合いは、資産価格がこの先どうなるかという予想であり、株価の決まり方と同様です。この理論は、短期的な決定理論としては多くの人から高い評価を得ているそうです。