国民総生産が相場に与える影響

一国の経済成長率を表わす際によく用いられる指標といえば国民総生産(GNP)です。外国為替レートと国民総生産の関係を多くの人が気にするようになったのは、1980年代頃だといわれています。

アメリカの国民総生産が発表される瞬間は、世界中のディーラーが注目していたそうです。外貨売却・外貨購入の相場はこの国民総生産の予想に基づいて動き、数字発表後は予想よりも「大きかった」「少なかった」という点で相場が動きました。当時ほどではありませんが、今でも国民総生産は市場で注目される経済統計の一つとして存在しています。

アメリカの経済統計が注目される理由に、銀行間市場ではドル対円、ドル対マルクというように、ドルを中心に相場が建っていることが多いこと、経済的にも政治的にもアメリカは世界の中心国であるという考え方があるからでしょう。そういう意昧で、アメリカドルの相場の行方は、市場において重要なものであるといえます。

日本やドイツの国民総生産は、アメリカに比べると市場への影響は大きくありません。一般的に、GNPの数字が高ければ投資効率も高いと推測できます。ということは海外資本が入りやすく、それがアメリカならばドル買いという理屈になります。また、国民総生産の数字が高いことは金融緩和政策がとられる可能性が低く、引き締めが行われることが考えられます。つまり、金利面からもドル高になると思われます。ただし、最近の金利相場では、国民総生産の構成項目を見て、輸入が伸びていれば国内消費堅調ということで金融引き締めと判断してドル買いに走る傾向があるようです。