外国為替相場の決定理論

外国為替相場決定理論は、これまでにさまざまなものが唱えられてきました。しかし、いずれも現在の外国為替相場を包括的に解説するには至っていません。その理論が誕生した時代の外貨購入等にはある程度有効だったのかもしれませんが、時代を超えて有効なものであるのは難しいと思われます。

現在の外国為替相場には、さまざまな決定要因が関わっているうえに時間の要素によって異なる要因が相場を動かしています。しかし、限界こそあるかもしれませんが、多くの理論には次の時代の相場を予測する際に役立つものもあります。

まずは国際収支説です。国際収支説はイギリスで確立された理論で、相場は外貨に対する需要と供給から決まり、国際貸借関係こそがその需要を決めるものであるという説です。国際貸借関係とは、フローとしての債権債務関係に限られ、いわゆる国際収支のことを指します。国際収支説の背景には、金本位制のもとで貿易収支が相場変動の決定的要因であったという時代があります。この理論は、需給関係が相場変動要因であることを指摘した点で評価を集めています。しかし、現在の相場では需給関係がリーズ・アンド・ラクズにより変わっていくため、国際収支だけで相場を判断できないなどの不十分な点もいくつか存在しているようです。また、国によっては国際収支の統計上の誤差が大きいものもあるため、需給関係を正しく反映しているかどうか疑問に思う声も少なくないといいます。